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13.捕われない自由


今回は、先日プロ野球の記事で目に留まった記事がありましたので、
引用させていただきますね。

その記事は、巨人の山口投手が育成選手として史上初の勝利を挙げたときのものです。
彼が、2軍で過ごしていたときのエピソードが載せられていました。
その記事は以下です。

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1軍への扉はもう1人のベテランが開けてくれた。踏み出した右足が開くクセを矯正しよう
とブルペンで投げ込んでいた昨夏。
「あのね、山口君は足が開いた方がいい球がいっているんだよ。何事も柔軟にね」
と短い言葉を桑田(パイレーツ)からかけられた。
「そんなこと言われたのは、野球をやっていて初めてでした。
直さないといけないと思っていましたから」。型にとらわれないフォームに自信を持った。
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 以上 スポニチ(http://www.sponichi.co.jp/)より引用

 
桑田投手の一言がとても印象的ですね。
僕は昔から桑田投手が好きで、彼の野球に対する真摯な姿勢に惹かれていました。

この桑田投手の考え方はあらゆることに対して当てはまると思います。
僕たちも歌をうたっていく上で、演技をしていく上で、レッスンや経験を積むほど、
ある確立されたスタイルや考え方ができてきます。
もちろん、それ自体はとても良いことだと思います。

しかし、時としてそのような経験は裏腹で、経験に縛られて
不自由になってしまうという危険性をはらんでいます。

僕たちにとって一番重要なものはプロ野球の選手同様、結果です。
いくらアプローチが正しいと思えても、想いの伝わる表現でなかったとしたら、
なんの意味もなさないのです。

逆に、想いの伝わる表現であれば、どのようなアプローチをしてもいいとも言えます。

 
知識や経験はいつも僕たちを助けてくれます。
しかし、いつでも結果で判断していく柔軟性が非常に大切です。

うまくいかなかったら、今までタブーだと思っていたことを試してみる。
良いと思っていたアプローチに疑問を持ってみる。

自分がやってきた考えを崩すのは慣れないと非常に勇気のいるものですが、
うまくいかないときは往々にして自分自身でタブーを作ってしまったり、
限界を作ってしまっていることが原因となっているものです。

それから、残念なことに実は、脳の構造は非常に思い込みや思い違いをしやすいものなのです。
ですから、良いと思ってやっていたことが、根本的に間違っていたということも多々起こり得ます。
このことはまた機会がありましたら、お話させていただきましょう。

 

話が少しそれてしまいましたが、つまり、人間の身体は常に変化をしていますし、
環境も変化していきます。
ですから、永遠に続くメソッドやアプローチは存在しません。
常に変化に対応していくことが求められます。
全てはたった今、現在にのみ通用するものなのです。
同じアプローチが明日通用するかどうかは極端な話、明日起きてみないと分かりません。

表現の可能性も身体の可能性も無限です。
日々変化をするからこそ無限です。
いつも心を柔軟にして無限の可能性と自由を感じられること。
僕たちにとってとても大切なことだと思います。

 
僕も皆さんのレッスンをさせていただいていて、
「小さなメソッドに捕われていないかな?」
「今のアプローチは生徒にとって良い結果が出ているアプローチかな?」
「生徒の個性と向き合って、生き生きとした強さを引き出すことができているかな?」
ということを意識しながら、型にとらわれない自由なメソッドを心がけています。

しかし、自由であること、これは本当に難しいですね。
真に自由であれるよう、これからも皆さんと一緒に歩みたいと思います!


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