ボイストレーニングOnline

18.眼と声の不思議なメカニズム

では、今回の講座は、前回のつづき、
「どうして眉間にしわを寄せずに声を出すと声が出やすいのか?」
「どうして視野を開いて声を出すと声が出やすいのか?」
ということのメカニズムに迫っていきたいと思います。


みなさんには、前回のレッスンで、
眼を緊張させたり眉間にしわを寄せたりすると、
極端に声が出にくくなること、喉が絞まっていくことなどを、
体験を持って感じていただけたことと思います。


さて、その皆さんが体験されたことが、
どういうメカニズムになっているのかというと、
眼周辺の神経と喉周辺の神経は
非常に密な関係を持って連動している、
ということに由来しているのです。

神経や筋肉のことを説明すると
かなり複雑になりますので、
その概要だけを簡単に説明させていただきましょう。


人間の脳機能の中で約 30%が
視覚情報処理に使われていると言われています。


全ての人体の機能の中で
視覚情報が3割を占める訳ですから、
これは非常に高い数値と言えます。


いわば、眼は脳の司令塔ですね。


したがって、肉体運動をする時に
(もちろん発声も肉体運動です)
この眼をどのように使っていくかというのが
キーポイントになってくる訳です。

前回お話したように、
まず第三の眼で見て、眉間を開いて眼をリラックスします。

このことで、神経的に密な関係を持っている
喉の緊張も緩和されてきます。


眼は脳の司令塔ですから、
眼をリラックスすることによって
眼の緊張が緩和されるだけでなく、
全身が心地よく緩んでくる感覚があると思います。

そしてここで、もう一つ脳に指令を送ってみましょう。
眼で空間を把握するように見てみましょう。

視野を広く取り、自分の周りの空間をよく見て、
立体的な空間を感じてあげてください。


この時に、
四方の空間に触れるように手を広げてみるなどして、
他の感覚で補助してあげることも効果的です。

眼で空間を広く見ることによって、
脳は立体的な空間を認識します。


その上で声を出す時には、脳は当然、
「この空間に声を響かせることが必要なんだな」
と認識します。


結果、空間を立体的に使った厚みのある声を出すように、
脳は身体に指令を送っていくのです。


脳の特徴として、必要のないと感じたことは放棄し、
必要と感じたことには適応していこうとします。

もちろん、発声やテクニックは大事なのですが、
脳が必要性を感じるということは、
そのテクニックが定着し、向上していく上で
非常に重要なことです。

身体って本当に奥深くて、
色々な感覚や機能が合わさって自由になっていくのです。

そして、我々の精神活動や表現も
その身体の状態とリンクしている訳です。

と思うと、身体を知ること、アプローチして実感していくことは、
とても楽しいことですよね!
みなさん、ぜひ楽しんで練習してくださいね!


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