ボイストレーニングOnline

7. 空間を豊かに響かせる声をつくるには


前回は、
 > 舞台発声のメソッドで、『アエイオエオアオ』と一定の音程で
 >単調に繰り返す発声方法があります。
というお話のあたりで終わりました。 今回はその続きからお話させていただきます。

『しゃべり声だからといって一定の音程で単調な練習しをてはいけない』 ということはみなさんもうお分かりいただけたと思います。 驚いたときは裏返ったような(ファルセットヴォイスに近い声)高い音を出しますし、怒った時などはものすごく低い声を出したりします。
怒っているときや優しいときでは声の色も全く違いますよね。 これは音楽では音色に通じます。

つまり、『柔軟であらゆる感情に対応できる伸びのある声』が必要なのです。

舞台では何百人、時には何千人というお客さんにマイクなしで声を伝えなければいけないので、ともすると 『大きな声、大きな声』 と声の大きさばかりを求めてしまいがちです。 しかし、ホールや舞台というのはもともと響くように作られています。その響きに逆らわない、柔軟な声を持っていれば声はよく通るのです。 空間を豊かに響かせるということがもっとも大切なのです。

◆ 練 習 す る と き の コ ツ

練習をする時のコツとしては、天井の高い場所などのよく響く場所で練習してみてください。そこで、どのようにしたら自分の声がよく響くか、自分の声の響きを確認しながらながら声を出してみてください。うまく行ったときは空間全体に声が満ちていくような感覚があるはずです。力を入れて声を一生懸命前に押し出そうとするときよりも、空間に声を放り投げるように放ったときの方が声は響くはずです。その時に自分の目線よりも上の方に多く響かせるイメージを持ちましょう。

声も物理現象ですから、放物線を描くようにイメージするとよく飛んでいきます。
また、空間は目線の下には自分の身長分ほどしかありませんが、目線の上には遥かに多くの空間が広がっています。広い空間を意識し、使っていくことが大切です。イメージとしては、ちょうど今日の春の太陽のように優しくキラキラキラキラと上からふりそそいでくるような光に向けて気持ちよく声を出していくようなイメージを持つと声に 『明るくきれいな響き』がついてきます。空間に声を放り投げるイメージは、絹の布のようなものを優しく、高く放り投げ、その布が高いところから ゆらゆらゆらゆら と落ちてくるイメージを持つといいでしょう。 イメージは人によってかなり違いがあるでしょうから、自分で色々と試してみてください。

テクニカルな練習はただの反復作業に陥りがちですが、するどい感性や感覚、イメージを持って行うことによってテクニックは向上していくということを忘れないでくださいね。また、そうした練習によって感性や感覚、イメージも磨かれていくという相乗効果を持ちます。

◆ 批 評 に 惑 わ さ れ な い で !

批評では時として 『どっちの方が大きい声か』的なことで大きい声が出る人の方が音楽的であると言われたり、演技派の舞台俳優と批評されるという冗談のようなことがしばしば起きています。けれども、そういった批評に惑わされることなく、このメールマガジンを読んでいるみなさんは真の音楽性や演技というものを目指してくださいね!

◆ 声 だ け で な く 演 技 に も 効 果 が !

KosmosFlowerでは現在多くの俳優の方のヴォイストレーニングを行っていますが、必ず音階を使ってヴォイストレーニングをしています。そして空間を意識し、柔軟で豊かに響く声を身に着けてもらえるようにトレーニングを進めています。

このトレーニングを行うようになって、

『声のみでなく演技の面で大きな成果が出るようになった。』
『演技に向き合いやすくなった。』
『内にある感情を表現しやすくなった。』
『前向きにものごとに取り組めるようになった。』

などと生徒のみなさんから感想をもらっています。

『精神と肉体は同じもの』 ですから、声という肉体現象にアプローチすることによって精神が成長するということは当然のことなのです。声が柔軟に響くようになれば、演技も柔軟で人の心に響くような演技に必ずなっていきます。不思議に思えるかもしれませんが、肉体と精神の関係性が理解できるようになればそれほど難しいことではありません。無理に精神面からアプローチして落ち込んだり前に進めなかったりするよりも、せっかく持って生まれた肉体を最大限に利用しトレーニングしていきましょう!


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