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9. 歌うではなく吹く???

みなさん、日々何気なく出している声どのように出しているのか、じっくりと考えたことがありますか?
楽器が一つの要素でいい音が出る楽器がつくれるわけではないように、声ももちろん一つの要素でいい声は出ませんが、今日は声帯周りのことを中心にお話させていただきたいと思います。


◆声帯

声帯は分かりやすく説明すれば、左右1本ずつのゴムひものように、伸び縮みする振動体だと思っていただければいいでしょう。
昔、薄いセロファン紙のようなものを口にくわえてブーッと音を出しませんでしたか? 乱暴に言ってしまえば、あの状態が声帯です。

楽器をよくご存知の方はダブルリードのオーボエやファゴットなどといった管楽器は、非常に声の状態に近い楽器であると言えます。もう少しなじみのあるものですとサックスなども非常に声に近い楽器
であると言えます。サックスはシングルリードと言って振動版は一枚ですが、とてもなじみのある楽器ですし、声を出すときに非常にイメージしやすいと思います。


◆それらの楽器を例に出しながら声を出すと言うことを解説していきましょう!

声を出す状態の時は声帯が閉じてこすれ合い音を出し、ただ息をハーッと吐く状態の時は声帯が開いて息のみを吐きます。

サックスを一度でも吹いたことがある方はお分かりになると思いますが、リードに圧を全く加えずに吹くとスーーーーッという虚しい音がサックスから響き渡ります。。。難しいんですよね。。。(笑)
程よい圧を加えるとリードがこすれあい、それがボディーやベル部分で拡声され豊かな楽器の音になります。声もサックスと全く同じと言っていい状態が身体で起こっています。


◆吹くことを意識しましょう!

僕が生徒さんを診させていただいていて、声出す上でとても意識しにくいなと感じることは、息を吐くということです。

我々は日常生活で話しているときに特に声を出すことを意識してしゃべることはほとんどありませんね。息を吐くことを意識してしゃべっている方はほぼ皆無でしょう。

しかし、そこが陥りやすい欠点です。私達は日常生活の習慣から歌うときも声は鳴るものだと思ってしまいがちなのです。
では、声は鳴っているのでしょうか?

もちろん、鳴るという表現が間違っているとは言えません。しかし、私達が表現で声を楽器として使うときは 『吹くと』 いうイメージを持った方が確実にうまく行きます。


◆身体という楽器をよく理解しましょう!

冒頭でもお話しましたように、声帯は楽器のリード部分であると思ってください。そのリードがこすれあうことによって音が発生します。

では、リード(声帯)はどのようにこすれあっているのでしょうか?

それは、リードの間を空気が駆け抜けることによってこすれあっています。つまり息を吐くことによって二枚の振動板がこすれあって音を発しているのです。ですから、私達は声帯というリードを吹くことによって音を出していると意識することが非常に重要なのです。

声帯は日常会話でも男性で毎秒100回程度、女性で250回程度振動しています。そして、歌で高音を発声するときにはなんと一秒間に1000回以上も振動しているのです!

声帯は筋肉でできていますから、喉を鳴らそうとすれば声帯が緊張して声帯の振動を抑制してしまいます。声は出にくくなりますし、高音に至って一秒間に1000回以上の振動が必要なわけですから、絶望的ですね。。。


◆まとめ

これらのことを踏まえると、
・ 声を出すときに喉を締め付けない。
・ 喉を鳴らそうと思わない。
・ 発声をしているときに常に息を吐き、楽器を吹いているイメージを持つ
ということがいかに大切かということがお分かりいただけたと思います。

今回のテーマである “ 歌うではなく吹く ” ということを是非実行されてみてください。必ずあなたの歌や、舞台、マイクにのる声が格段にレベルアップし、表現の豊かさがいっそう増して行くことと思います。

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